白昼夢 蛇足
「異世界トリップ失敗例」のようなもの。
四つ辻で迷って異界に来たものの現実を現実として受け入れたくないあまり現実を夢だと認識するようになってしまった女。病院から移された先は“外来種”専門家の研究施設。症例:白昼夢として隔離されている。
見たい夢を見られる能力と、夢の中のできごとを現実に反映させる能力がある(と研究によって判明した)。記憶が持続しないことと、夢と現実の区別を失っているのはその代償のようなものなのかもしれないが、本人にはもうわからない。

クロロとは偶然複数回"夢"で遭って珍しく覚えていたので、どうにか自分を起こしてくれないかと少し期待していたが、クロロがたどり着く直前に限界がきてしまった。

墓石を作った時点で彼女は二度と目覚めなくなり、夢も見なくなった。